“仏” のリーダーほど、部下に受けがいいことは言うまでもない。 「いい〇長さん」 である。 “鬼” は、部下にとってきつい。 自分にとってはなおきつい。 部下を追い込むことは即、自分を追い込むことであるからだ。 鬼だけでは、自他ともにぎすぎすとして辛い。 しかし私は、仏は年寄りと子ども向けにして、大人に対しては、とりわけ組革研では鬼に全力投球している。
仏は無用だと言っているのではない。 人びとに好かれようとして偽仏をやってはいませんか、と言いたいのだ。 説教をもって追い込むの代りとし、部下と自分自身を易きに流してはいませんか、と言いたいのだ。 鬼になる勇気を持とうではないか、と言いたいのである。
念を押しておきたい、 「人を人として」 の鬼であることを。 突き詰めて言えば、 「仏の心を求道する」 が故の鬼だ。 「人を道具として」 の、部下の心をうまく “操縦” していこうとする管理の姑息な鬼、自分は安全地帯に身を置きながらの鬼では、部下は、辛く、苦しいだけだ。
リーダーは部下に、やらずともよい、できない理由を見つけさせていてはならない。 言い訳を言わせていてはならない。 追い込んで、それと闘わせなければならない。
そうしなければ、部下がかわいそうだ。
自分で自分を追い込むのは大変である。 そうできる人はきわめて限られる。 組織とは何とありがたいものだろう。 “上” という人間が存在するからだ。 その上が 「人を人としての鬼」 ならばだが。 人びとにとって、 「追い込んでくれる上は余人を以って代えがたい」 存在なのである。
ここで企業人から疑問が出されてくる。 その一は、そんなことをしたら部下が 「うつ状態」 にならないか、辞めやしないか、である。その二は、部下に嫌がられないでそうするにはどうしたらよいか。 その三は、鬼と仏のバランスは七三か六四かである。 いずれもが、そうなったら自分が困るという自己防衛から発するもののようだ。
これらに対しては来週とする。
( 『人間力』 第七章六より抜粋にごく少し加筆)
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