キャンパスリーダーの独り事

「衆合天才」論  No.117

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 かつての日本産業においては、指向する方向がほぼ明らかになっていたと言ってよいであろう。手本の多くが欧米にあったからである。それさえ明確であれば、あとに残る大事なものは品質、コスト、納期であって、日本がこの三本柱を以って世界を制覇してきたことは、広く知られるところである。
 しかし今や、この三本柱を頼りにできないことは明々白々となっている。市場創造への独創性の勝負の現下に入ってしまったのだ。まさに「人間力」の出番であるこれからだ。
 独創性は、常人にその多くを期待するわけにはいかない。天才、異才に待つところ大だ。だが、元々この類の人は少ない。そのうえこの国では、学校教育においては言うに及ばず、企業において、家庭においてさえも、社会をあげてこのような才を潰してきてしまったのだ。もちろん意図せずしてである。
 そこで私が考え出したのが「合天才」である。
 1960年代の日本企業における中央研究所ブームで言われた「合天才」をもじった着想である。「集合天才」が学校秀才の集団であるのに対して、「衆合天才」は常人の集団である。
 この両者には決定的に相違するものがある。マネジメントがそれだ。その違いを一言にしてしまえば、前者が足し算的であるのに対して、後者は掛け算的であることだ。
 天才と言われるお二人と私は行動を共にしたことがある。そのうちのお一人はノーベル賞受賞者だ。その人たちに共通して感じられたものの一つが、ある一点に執念を燃やしつつ、それに対する視点を、自在かつ即座に変えられることであった。
 「衆合天才」はここからもヒントを得ている。人間の頭の外観はほぼ均一だが、その中身となると相当に異なる。いまや常人の視点は画一化しつつあるが、とは言えまだ人それぞれを残している。その異なるところを増幅させ、それを掛け合せることによって、事に対する発想を深掘りしていこうとするものである。
 「衆合天才」でノーベル賞などとは言わない。真性天才には及ばない。だが組革研では、一夜を費やして驚くほどのレベルまで達するチームが、毎会期一、二チームは出現している。
(『人間力』第八章三より抜粋、少し加筆)

15.11.1.

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