キャンパスリーダーの独り事

酒を飲むのを管理されたら、どうなるか  No.106

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  ハムスターは回し車がよほど好きらしい。その程度は呆れるばかりだ。娘が飼っていたハムスターの回し車の音に、夜中に何度も目を覚まされた。夜行性の彼らは、我われが夕食の頃に起きてきてまずは餌。それから明朝までの時間の大部分を回し車で過ごす。
 「ハムスター・回し車関係」を変えてみるという実験が、医学研究者によって行われた。回し車にモーターを接続して外からほどよく回してやったのである。この「関係」を管理したわけである。その結果は、ハムスターは日々ストレスを重ね、一週間にして死んでしまったそうだ。
 どんなに好きなものでも、「〇〇・〇〇関係」しだいでは嫌なものに変わってしまうということだ。
 この話しは医学分野の大学教授3人と私との会食の席で聞いたのだが、私は、その場が終わって家へ帰るまでの道々、人間の場合はどうかと考えてみた。
 私は酒が好きである。量こそ多くはないが、晩酌を欠かすことはまずない。その私が家に帰る。はや酒の用意がされているところまではよいのだが、「今日はビール2本ですよ。まずコップに一杯注いでぐうーっと飲んだら、次は隣りのチーズを一切れつまんで・・・」と、妻に酒を飲むのを管理されたらどうなるか・・・・。たちどころにその酒は不味くなってしまうだろう。
 この辺りは、人間もハムスターも同じだと思う。
 かつての東京下町の夏の風物詩と言われる縁台将棋。隣り近所の人たちが寄ってたかって、後ろから指し手に口出しをするのが常であった。当事者にとって、へぼからのそれには何の苦もない。うるさいというよりも、バックミュージックのような雰囲気さえ醸し出していた。ところが、達者なのにかかったらたまったものではない。その“指示”によって、こちらはいつの間にか「将棋ロボット」と化してしまい、そうなっていることに気づく頃には、対局はつまらないものになっている。
 小船で鯛釣りに出て、船頭に管理され、ただの「竿持ちロボット」となってつまらなくなってしまった体験もある。
 我われ人間の「毎日」の総ては、「人・〇〇関係」を変えれば、いくらでも、人間らしくもロボットらしくも、おもしろくもつまらなくもできる、ということである。
  「管理」というマネジメントは、金と時間と手間を費やして、人間の自然である人性に手を突っ込み、その意図とは反対に、仕事をつまらないものに、嫌々のものにしてしまっているのである。
 (『人間力』第5章1より)

15.8.2.

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