キャンパスリーダーの独り事

人間が「人間力」を失ったら
人間は何になるのだろうか  No.102

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 私が「人間力」の概念とその言葉を創唱したのは、今から33年まえの1982年であった。続いて「仕事力」の概念とその言葉を創唱した。これらの言葉は当時の世上で、かなり冷やかな反応に出会ったことを今でも忘れない。
 その後、「老人力」なる言葉が出てきた。そのうちに、総理大臣までが「人間力」を口にするようになった。今や、内閣府には人間力戦略研究会なるものができている。流行する「○○力」の源流になったようだ。
 「誇張されたものは欠如を表す」とフロイトは言う。「人間力」という言葉がこの社会にこれほどに飛び交うようになってきたのは、人びとのそれが枯ればんでいるらしき実相を、多くの人たちが互いに肌で感じているからではなかろうか。
 私が「人間力」の発想にいたったのは、「道具力」を意識したことに端を発している。「道具力」の着想は、企業の中で人びとが仕事の道具と化していることを否応なく見せ付けられる日々の中から、自然発生したがごとく意識し出したものである。
 「人間力」は即ち、「道具力」に対する対極概念として発想されたのであった。
 人は誰もが、「人間力」の種子を宿してこの世に生まれてくる。しかし今のこの社会では、それを芽生えさせ、成長させ、花咲かせていける人は、限られる。人びとをしてそうさせているものが、この社会の人びとの間に根深く根を下している管理意識、わけても”上”の立場にある人、つまりは組織の上長、加えるに親、教師のそれである。
 人間は自然の産物だ。そこには自然の摂理が働き、人性が存在する。したがって「人間力」を育むのに、故意の謀(はかりごと)は要しない。その自然に順応することだ。ところが管理という作為は、そこに手を突っ込む。
 自然に逆らって敵うはずはない。逆の結果をもたらす努力をやっているのである。

(15.7.7.)

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