昨夕、寄り道をしてしばらくぶりに南千住の「尾花」で鰻を食した。ここが極め付けであることは重々承知しているのだが、めったに足を運ぶことはない。場所が私の日常的生活圏から離れているから、それに予約ができないので間違いなく待たされるからである。この日は珍しく直ぐにテーブルにあり付くことができた。
その美味さが改めて身に沁みた。脂が実によくのっている。だからといってくどくはなく、軽い。そこで、長年のささやかな懸案を思い出して聞いてみた。客席で振る舞う若女将らしきと帳場にでんと構える大女将らしき二人に別々に、「鰻の『旬』はいつか」と。両人の答は異口同音に「冬ですよ。脂がのりますから」であった。
しかるに現実は、夏の盛りの土用の丑の日を中心に、人びとは鰻に群がり、スーパーマーケットやデパ地下では鰻が幅を利かせる。『広辞苑』には「丑の日には夏やせの薬に鰻の蒲焼を食べて……」とあるところをみると、その歴史はかなり古いらしい。つまり、「鰻は夏のもの」が歴史的な常識なのだ。前記の懸案とは、この「常識」への私の疑問であった。
かなり以前から、どうも夏よりも冬の鰻のほうが旨いように感じていたが、夏と冬のそれを同時に味わい比べることはできない。そこであるとき馴染のすし屋の親父に聞いてみた。するとやはり冬だと言う。だがこれで私の懸案がすっきりと解消したわけではなかった。伝統的なすし屋は鰻をねたにすることなどないからだ。そこで今回の鰻屋の女将への質問になったわけである。
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「常識」というやつは、実に恐ろしいものを抱えて誰彼なしに迫ってくる。時に、人びとを有らぬ方向に主導してしまう、人びとの意識や発想を縛りつけてしまう。
私のこの春からの挑戦課題の一つは、新著『反常識』だ。もちろん食べもののことではない。社会的なそれ、企業内でのそれについてである。
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