キャンパスリーダーの独り事

自分の存在を実感できないでいる  No.81

no47CL175.jpg 組革研の4日目には参加者からの問題提起に私が応える時間がある。そこで必ず出てくるのが「(部下に)そんなに頑張らせたら、重荷を背負わせたら『うつ状態』になってしまう」というやつだ。先週の1月会期でものっけからこれが出てきた。
 毎度のことなので、これに対する私の応答も定型化してしまっている。それは、「『うつ』になるのは、自分の存在を実感できないでいるからだ。重荷を負うとそんなことになるのなら、たとえば大災害の被災者の人たちはみんな『うつ状態』になってしまうではないか。家を失い、職を失い、中には我が身より大事であろう家族さえ亡くしてしまった人も少なくない。それでも生きていかねばならない。みんなどでかい重荷を背負って頑張っているではないか」という仮説である。
 「私は医者ではないのでこの応答だけは信用しないでほしい」と断ってのうえだ。私のような見かたをする精神科医もいるようだが、詳しくは知らない。ついでに言えば、医者の社会的現象に関する勉強の無養生は相当なものだと思う。もう一つ言えば、「特効薬の販売で『うつ病』患者が2倍に増えた!」という週刊誌*の記事は信憑性を得ていると思う。
                 □
 さらに仮説。つい先日、店の食品への異物混入や万引きを偽装した19歳が逮捕された。実行犯ではなく、何度もそれを演技し、その動画をネットに投稿したというわけだ。線路を枕に寝そべってみせてそれをネットに流した若もの、店頭の保冷庫の食品の上に寝そべってこれまたネットに載せたアルバイト学生もいた。駅頭でのあのうるさい音楽らしきをがなり立てる若もの、ストリートミュージシャンなどとマスコミは囃しているが、これらも同類項にあるのかもしれない。同類とは、自分が存在していることのアピールだということだ。それら行為を肯定しているのではない、念のため。
                 □
 管理社会の下では、人びとは生きている手応えを実感できないという、自己実現とは反対の道に歩むことになっていく。砂を噛むような道だ。すでに感受性が衰えている人にとってはこの限りではないであろうが。
(*『週刊現代』2014年4月5日号)

15.1.27.

脱・「三逆リーダー」
新着 記事・お知らせ
  • 2020.09.18        

    間違っていなかった

  • 2020.09.15        

    新人の頃のがむしゃらさを再び…...

  • 2020.09.11        

    どうにも手強い自分がいます
    ――部下を仕事の主人公に(後編)...

  • 2020.09.08        

    主体性を奪っていた
    ――部下を仕事の主人公に(前編)...

  • 2020.09.04        

    危険箇所を「絵」で書き出させると……...

  • 研究会へのお申込み
  • デイリーメール 登録・変更
  • 組革研スケデュール
  • 組革研アーカイブ
パンフレット・発行物のご案内
  • 脱「三逆リーダー」

    藤田 英夫 (著) 発行:ダイヤモンド社 発売:ダイヤモンド社


  • 「個全システム」によるミーティング革新

    藤田 英夫 (著) 発行:ダイヤモンド社 発売:ダイヤモンド社


  • 不感症体質に挑む「人間力」全員経営

    藤田 英夫 (編) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 経営の創造

    藤田 英夫 (編) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 第3の組織論

    小林 茂 (著) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 人間力をフリーズさせているものの正体

    藤田 英夫 (著) 発行:シンポジオン 発売:創英社/三省堂書店


  • 人間力―そこにどう火を点けるか

    藤田 英夫 (著) NTT出版


  • 人を人として―指示待ち人間を目覚めさせるもの

    藤田 英夫 (著) PHP研究所


  • 「状況」が人を動かす―管理からリードへ

    藤田 英夫 (著) 毎日新聞社


ページの先頭へ

組織革新研究会について

組織革新研究会の5日間