現場の手で品質向上をやりきった

「いいな」と思われたら押してください。

　タイヤバランスを悪化させている部材精度を改善すること。これが工場長から出されたテーマでした。長年問題となっていましたが、解決の糸口が摑めていなかったのです。
　現場の技師にやりきってもらいたいと取り組み始めました。やる気満々の彼でしたが、設備については素人でどこから攻めればよいかは見当もつかない様子でした。しかし指示や説明ばかりでわからせるのだけは止めよう、そう自分に言い聞かせました。
　基本的なことや最低限のルールは教えながらも、現場がどうなっているか一緒に調査と測定をするようにしました。
　そして最も重要なラインの速度測定をすすめる段階に入ると、彼が「ここだけが異常に速い！」と発見しました。これを直すだけでも精度はぐんと良くなりましたが、それをきっかけにさらにいくつもの箇所を調べ上げ、その結果を基に「適性な速度比率」の算出方法を考えたり、ライン速度以外の改善方法はないかと一人で調べるようになりました。
　時には後工程に行き、実際に部材を使用している現場を見ては、どう変化したかと確認するようになりました。
　「今までは自分の工程ばかり見ていましたが、最終製品としてどれだけ向上したかまで見届けることが重要だと気づきました。このことを指標にしなければいけないですね」 と言ってくれました。
　活動を始めてから半年後、着手した部材の品質は向上し、廃棄率も半減しました。彼は全社の活動報告大会の工場代表となり、結果第2位の成績で優秀賞を手にしました。現在は横展開 を行うべく活動を続けているところです。さらなる工程改善が広がってきています。