「諦めない」が真因を摑む

「いいな」と思われたら押してください。

　短期間で何度も壊れる工程管理の機器がありました。ラインが止まってしまうので、原因を調べもせずに急ぎ交換で済ませていました。
　そんなときに組革研に参加し、自分がいかに「対応」に走っているかを思い知らされました。
　職場に戻ると、部下とともに機器の異常がどのように起こるのかを調べ始めました。組革研のやりかたをそのまま借りようと、機器とその周辺の状況についてわからないことを書き出し、現場に行ってそれを調べました。
　しかし、何度足を運んでも、これといった原因に繋がる発見がありません。行き詰まりました。
　「今動いているから、まあいいか」易きに流れそうになったとき、「諦めたらそれで終わり」という言葉が胸をよぎりました。組革研での５日間、何度もつまずきながらもやりきったことで得られたものの一つでした。
　そんなとき別の設備で、空調の影響で細かい金属が飛び、それが機器に傷をつけるというトラブルがありました。ハッとしました。設置場所も故障にかかわっているのか？
　原因を解明できずにいたラインにはいくつも同じような機器がありましたが、どうして特定の機器だけが不具合を起こすのかわかりませんでした。
　問題の場所に別の機器を設置して観察すると、同じ不具合が発生しました。やはり設置場所だ！　さらにそこだけで起こる仕組みを調べると、近くの空調設備が空気の流れを作り、有害な物質を運んでいたことが原因だったとわかりました。
　その結果を踏まえ、設置場所を変えることにしました。その対策を講じてからは一度も不具合は発生していません。