安全活動の源は現場にしかない

「いいな」と思われたら押してください。

　諦めるんですか！　久しく浴びたことの無かった喝に、電気が走るような衝撃を受けました。「対象」はどうできているか、と動き回った「Ｓ－２０」の調査でのことでした。
　「対象」に向き合わされたことで、それまで職場で、机上での安全対策しか考えていなかった愚かさに気づかされたのです。
　現場が対象だ、まずは各工場の朝礼に参加し、職場での危険予知活動がどうなっているかを見て回ることにしました。
　しかしそこで目にしたのは、危機感を感じさせるものでは決してありませんでした。朝礼が行われる場所もざわざわとしていて、話す作業長の声が後ろまでなかなか通りにくいなど、この状態で自分たちの身を守れるだろうかと不安になりました。
　そこで活動に立ち会い、自分たちが危険だと思った場所や行動などを書いて持ち寄ってもらいました。また活動はライン単位の大勢で行っていましたが、５～６人の小グループに変えました。
　当初は、挨拶しても返事をくれない人もいましたが、「声が聞こえなかったんだ」と無理にでも思い、次の日にはより大きな声で挨拶しました。そのうち工場の人たちから挨拶されるようになり、わざわざ危険箇所を見せ、ここを改善したよと説明してくれるようにもなりました。
　また、少人数のグループに変えたことで、リーダーの話が伝わりやすくなっただけでなく、一人ひとりの表情がわかり、その日の健康チェックもできるようになったと喜ばれました。
　しかし、良くなってきたと思ったときが最も危険です。まだまだ職場のレベル差もあります。今日も朝一朝礼に足を運んでいます。