手を抜かない、他人任せにしない

「いいな」と思われたら押してください。

　誰かがやってくれる、そんな意識が心のどこかにありました。入社１年目だから助けてもらえるとの甘えでした。業務の文書作成では、初めこそ一生懸命に考えていましたが、上司からの訂正があまりにも多く、どうせ直されるだろうと思いながら作るようになっていました。
　組革研ではそんな自分に直面しました。「Ｓ－２０」の調査では１、２か所を調べただけで、わからないと戻ってきました。誰かが発見してくれるだろうと。自分のチームは若手ばかりでしたが、必死になって取り組む同年代のメンバーを前に、自分は何をしていたんだろう、１つでも多く調べてくるべきだったと悔やみました。
　職場に戻ると、私が担当するサプライメーカーの工場に、海外のお客様が見学に訪れることとなり、その調整役を任されました。
　前工程の部品工場まで見学することは異例なため、この成否が商談を大きく左右すると感じました。ここを何とかしなくては、やり抜かなければと、メーカーと営業の間に立って計画を作りました。
　ホテルから工場までの送迎一つにしても、人数を考慮し、余裕のある車の手配が必要でした。食事も宗教の違いから食べられるもの、食べられないものがあり、綿密なやりとりが求められました。一つのミスが全てを台無しにしかねない。そんな気持ちで必死になって取り組みました。
　当日、私は現場に行くことはできませんでしたが、お客様の評価は高く、今後の取引が一歩前進したと営業から聞き、一生懸命やってきてよかったと思いました。
　文書作成においても、徐々に訂正の数が減ってきています。手を抜かない、他人任せにしない、を心がけています。