参加リポート/現場から

部下にやり切らせる

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圡谷一郎 キリンビール・取手工場・副工場長兼品質保証室長 〔第484回/2015年1月会期参加〕  NO.584

キリン_土谷一郎.jpg 今年の1月、組革研に参加した私は、部下たちに考えさせることはもとより、「状況に直面させ、課題をやり切らせること」がリーダーの責務であると改めて痛感しました。
 組革研に参加する前、ある部下に、今年のマネジメントプログラムの作成を任せていました。それは品質保証室の目標と課題を指し示すもので、本来であれば室長の私が作り、工場長の承認を得るものです。任せたものの重要な課題設定については具体的に指示していました。それがリーダーの務めだと思い込んでいたのです。しかし、それは部下の成長を妨げていたのだと思い知らされました。
 職場に戻った私は、彼に「昨年度の延長線上にはしない」とだけ伝え、さらに、作成したプログラムの工場長への説明も彼に任せました。
 彼が最初に提出してきたものは、前年と同じことをしていれば到達できる目標設定で、彼自身の意気込みも感じられず、期待したレベルとは程遠いものでした。それから毎週打ち合わせを行い、その都度もっとよくするには何をすべきか考えるように迫りました。
 何度もくり返していると、ついに彼は挑戦的な目標を考えてきました。「製造ラインにも工程管理能力向上を求めながら、分析員業務を20%減らしたオペレーションを達成する」という、私から見てもハードルの高いものでした。しかも、自分だけで作ったのではなく、現場の人たちの意見も聞き、誰がいつまでに何をするのかも考えた具体的なものだったのです。
 マネジメントプログラムはすでに現場で実行されています。昨年までの彼は、自分の担当業務の目標達成しか考えていませんでしたが、いつの間にか相談内容も部署全体の達成のためのものに変わっていました。

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