手助けは部下のためになっていなかった

「いいな」と思われたら押してください。

　 昨年から、エンジニアリングチームが発足され、若手の部下とともに発電機保全関連の新技術開発の業務を担当することになりました。 しかし、部下はこの分野の経験に乏しく、開発のテーマを与えてもいっこうにすすまず、納期が迫っても何もしていないことすらありました。 そのため、一つひとつ指示していたのですが、思ったほど改善されず、私の教えかたが悪いからだろうかと悩んでいました。
　そんなとき、組革研に参加しました。 キャンパスリーダーの 「困難に直面し自分で乗り越えたときに人は成長する」 というお話に、良かれと思ってやっていたことが、部下の成長の邪魔をしていたことに気づいたのです。
　職場に戻ると、プロジェクト担当から、お客様への説明のために、ある部材の試験結果が欲しいと求められました。この試験は部下が行うことになっていましたが、延びのびになっていたものでした。
　これまでとはやりかたを変えて「自分で考えてすすめるように」とだけ指示しました。いつものように「次は何をすればいいですか」と質問してくる部下に、「私もどうすればいいのかよくわからないんだよ」と返しました。実際、自分にも正解があるわけではないので正直に言いました。
　しばらくすると、私に聞いても埒が明かないと思ったのか、製造部の開発チームに相談に行き、恐るおそる試験を始めていました。そのうち、一日何回も「試験に行ってきます」と言っては現場に出向き、懸命に取り組んでいました。経験が乏しい彼にとって、結果をまとめることは大変だったと思います。そんな彼が、他のメンバーに「○○材の試験を行うので興味のある方は見に来てください」と呼びかけていました。私は、その姿を見て安堵感に包まれました。