部下にできるかぎり考えさせる

「いいな」と思われたら押してください。

　組革研に参加したのは、４年前のことです。事前に「直面して困っている問題」を書き出すという課題に、私は「問題なし」としました。ところが、キャンパスリーダーのお話を聞いたり、他のメンバーと議論を重ねるうちに問題があるのに問題と感じていなかったことに気づきました。それは自分の指示どおりに動く部下を育てていたということでした。
　その後、なるべく指示するのを止め、部下に考えさせることを心がけていました。
　主要業務の一つに法令で定められた「健康診断」を行っていますが、毎回のように無連絡でキャンセルしたり、遅れたりする従業員がいたので、部下にやりかたの見直しを検討させることにしました。
　彼らの持ってきた案には受診する人たちの状況が何も書かれていません。話を聞いてみると「きちんと受診しない従業員が問題だ」という認識だったのです。
　考えさせるだけではだめかと思い、今度は従業員の状況を調べるよう指示しました。すると、「どのように調べればいいでしょうか」と質問に来たので、なんでそんなことを聞くのかと、「それは自分たちで考えなさい」と強く言いました。彼らは不安げな表情で自席に戻っていきました。
　その後、未受診の人たちのところへ出向いて話を聞いたり、電話をしたりしていました。何日かたって持ってきた案は、従来のものと同じでした。どうしたのかと尋ねると、「自分たちが受診者の都合に合わせた工夫をしなければならないことに気付いた」という答えでした。
　その結論に少しは安堵したものの、その後もこんなことのくり返しです。悪戦苦闘の毎日ですが諦めずに頑張りたいと思っています。