指示、説明は自分満足のためだった

「いいな」と思われたら押してください。

　今回の「リーダー参加」はリードの体験とはいえ、一度体験したメンバー参加の延長だろうとしか考えていませんでした。いざ、メンバーを前にすると、私は配布物を読めばわかることまで事細かに説明していました。やってはならないとわかったつもりでいましたが、自然と体が動いていたのです。
　そんな中、新たな問題が生じました。現地調査は単独で行う方針でしたが、チームの何人かが雑談をしながら調査していたことがわかったのです。「これは当事者だけではなくチーム全員の問題にするべきだ」とブロックリーダーに言われましたが、メンバーが謝りにきた際に、波風を立てたくないという気持ちが先行して「今度はよく考えて行動してください」とたしなめる程度で仕事に戻らせてしまいました。すると、ブロックリーダーにメンバーのことを全く考えていないと強く指摘されてしまいました。
　一晩中、私はチームメンバーのこと、職場のことが頭を駆け巡りました。結局、メンバーに向き合わず、その場をしのぐことばかり考え、自分満足のためにやっていたのだと気づいたのです。そんな自分を改めなければならないと決意して、職場に戻りました。
　職場では交通系電子マネーの営業を担当しています。今まで自分で行っていた加盟店営業の指針づくりや対応を直接部下に任せることにしました。
　最初、部下は戸惑いをあらわにし、相当な不満を抱いていたようです。私も任せてはみたもののお客様の要望に応えらえるか、苦情にちゃんと対応できるだろうかと気をもんでしまいました。しかし、ここで口を挟めば元の木阿弥になると部下を信じて行動を見守ることに徹しました。部下が「〇〇案はこうしたいのですがよろしいでしょうか」と自分の考えを相談してきたときには、私も部下も一歩前進できたように思いました。