後輩が自ら動き出した

「いいな」と思われたら押してください。

「中村さん、最近ちょっと冷たく、面倒くさくなりましたね」と後輩から言われました。
　組革研に行く前までは、困った顔を見るとすぐに答えを教えたがる性分で、一から十まで懇切丁寧に教えることは、教えられた人にとってもすぐにレベルアップできて良いとさえ思っていました。
　しかしキャンパスリーダーから伺った「ロボット人間を量産している」「自分が正しいと言えるのか」という言葉は、まさに目からうろこが落ちた体験だったのです。
　後輩自らが答えを導き出せるように、自分がまず変わるんだ！
　困っている後輩を見かけても「どうしたのか」とだけ声をかけるようにしました。あるとき、「○○がわからなくて先に進めないので、どうすればいいですか？」と聞かれたので、「○○がわからない理由は？」と聞き返しました。すると彼は肩すかしをくらったような表情を浮かべて、しぶしぶ、その理由を答えてきました。これまで私が何でも答えて説明していただけに、まさか質問で返されるとは思ってもいなかった様子でした。
　そこからさらに質問を続けて、一体本人は何がわからないのか、自分で見つけられるよう粘り強く問いかけました。
　こんなやりとりを続けるうちに、相手がどこまでわかっていて、どこからわからないのかを、膝を突き合わせて話すようになりました。
　徐々に後輩たちは「○○がわからないので、ここをこうして、確認を取ろうと思います」と報告してくるようになりました。
　今では、考えてもみなかった提案を嬉しそうにしてくることもあり、私が教えてもらう立場になることもあるくらいです。