「自分が教えられたように」から脱却する

「いいな」と思われたら押してください。

　今年４月、私にとって初めての部下が異動してきました。営業サービスの業務のことは何もわからず「どうしたらいいですか？」とすぐに聞いてくるので、私もその都度それに答えていました。職場ではそのようにするのがあたり前で、これまで私自身もそのように教えてもらってきました。
　来客時にはまず部下が要件を伺い、すぐに私が代わって対応していました。部下にはその時のやりとりを後から説明しましたが、その後も、「お客様をお待たせするわけにはいかない」と考えて私が対応するのが常でした。
　しかし、組革研で「上司の世話焼きが部下の成長を邪魔する」と聞き、私はできる限り手を出さず部下自身に考えさせなくてはと納得しました。
　職場に戻り、あるプロジェクトの資料作成を部下に任せることにしました。初めは、「どうすればいいですか？」とばかり聞きにくるので、「どうしたらいいと思う？」と尋ね返しますが、はっきりとした答は返ってきません。
　そんな状態がしばらく続くと、彼は質問にこなくなり他の業務ばかりするようになりました。進捗を確認すると、「うまくすすめられない」と答えます。
　そこで私はパソコンに向かってその資料をつくり始めました。彼は驚いた顔をしていました。そして翌日、「資料のたたき台を作ってみたけど、ここからやってみるか？」と尋ねると、ようやく資料作成に着手したのです。
　まだ「どうしたらいいですか？」と聞いてくることもありますが、徐々に変わってきて、自分なりに考えて「こうしてみようと思いますが、大丈夫ですか？」と言ってくるようになりました。
　納期から半月も遅れてしまいましたが、彼は資料を完成させ、内容について質問すると自信を持って答えられるまでになりました。さらに彼自身の仕事にするためにも、私が変わらなければいけないと思っています。