「まとまった追加投資は無理」という思い込みから脱した

「いいな」と思われたら押してください。

　火力発電所へのアフターサービスプログラムの提案を行っています。
　一般に発電所は、送電網の中で発電効率の高い施設が優先的に運転されます。新しい発電所ができると古いものは稼働時間が短縮され、効率改善のためのまとまった投資も行われなくなるため、我われとしてはその前に大規模なアップグレードプログラムを提案していく必要があります。
　海外のＡ発電所に提案したプログラムはなかなか受け入れてもらえず、戦略を練り直しましたが、他に発電所が新設されたこともあり、稼働時間が短くなってしまいました。
　社内では「どうせ最低限のメンテナンスしかさせてもらえない」という先入観から消極的な意見ばかりが目立つようになりました。しかし、組革研で「対象を明らかにする」ことを体験した私は、”Ａ発電所はどうなっているか”という観点で検討し直すことを提案しました。
　発電所には、昼夜を問わず一定の発電をする主力のほか、その故障やピーク需要に対応する役割のものもあり、それぞれ求められる能力や設備が異なります。私たちはＡ発電所がどのような位置づけにあるのか、本社内だけでなく海外駐在員や現地スタッフからも情報収集しました。
　すると、近隣の発電所よりわずかに効率が低いため普段の運転時間は短くても、非常用電源としてすぐ起動できるように期待されていることがわかったのです。非常時の起動信頼性を向上させるプログラムなら受け入れてもらえるはずという期待が膨らみ、私たちは「まとまった追加投資は無理」という思い込みから脱することができました。
　その後は、「いかにこの発電所を良くしていくか」という姿勢でプログラムを立案し、お客様からの回答を楽しみに待っているところです。