現場からの提案を生かせる職場に

「いいな」と思われたら押してください。

　入社以来、製造部で仕事をしてきました。組革研から戻ると、同じ製造部でも経験のない製品を扱う部署に異動となりました。
　以前の部署では部下に自分の意見を押し付けてばかりいましたが、組革研を体験してからは、まずは部下の話を聞くようにしています。
　現場の様子を見ると、製造スタッフは「自分がやらなくては」と仕事を抱え込み夜遅くまで残業していました。ちょっとしたトラブルには主任が周りに相談せず一人で対応し、事務所では業務以外の日常会話がほとんどありません。課員どうし交流できていないことが気になりました。
　このような状態を変えなくてはいけないと考えていたときに、朝会でコメントを求められました。私は従業員と協力会社の人たちを前に「上からの指示が多い職場ですが、現場のことはみなさんが一番わかっているのだから、気づいたことはどんどん提案してください」と訴えました。
　その日の夕方、協力会社の人が主任に「今朝、次長が言ってたじゃないですか」という声が聞こえてきました。生産性を上げるための提案をしたが主任からダメを出された結果でした。主任に聞くと、品質保持の観点から実現は難しいとの判断でしたが、その理由をきちんと説明しなかったようです。
　朝会でのコメントは、主任の下で作業する従業員を意識したもので、協力会社の人がすぐ実践してくれたのは意外でした。彼らはきつい作業を任されることが多く、何とかしたいという思いが強かったのかもしれません。
　その後も、現場に行った際には一人ひとりに声をかけて少しでも話を聞くようにしています。最近では協力会社の人だけでなく現場の従業員からも気づいたことの報告や提案が行われ、主任たちも横どうし相談しながら提案を生かそうとする姿が見られるようになっています。