参加リポート/現場から

組革研の体験が生きていた

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児玉仁 元・積水エンジニアリング常務取締役 〔第127回/1982年7月会期参加〕  NO.513

 嘱託期間が終わる数か月前、古巣である親会社のリコール対応チームを応援することになりました。「社長を出せ」とまで言うクレームや交換品への拒否反応など、コールセンターが解決できない案件の処理が役割でした。
 途中、プロジェクト拠点の移転により私以外のメンバーが交代し、一から業務を教えることになりました。初日の業務見学時、一番若い担当者の経験が浅いのが気になり、組革研を思い出して「わからないこと」を書き出させました。夕方までに僅か10件足らずでしたが、”習うより慣れろ”で翌日から実務に就かせると、案の定、電話口で絶句することが多く、誰かに代わってもらおうとキョロキョロしていましたが放っておきました。
 その日の夕方、「まだ、わからないことがありそうだね」と彼に言うと、意外にもはっきりと「はい」と答え、翌日からわからないことを自ら書き出し始めました。そして1週間後、他の担当者たちが面倒な案件を彼に回すようになりました。彼は「わからないこと」を明らかにして、交換品の機能やリコール品との違いを誰よりも詳細に把握するようになっていたのです。
 その後、ある担当者が難しい案件に悩んでいたので、各自の担当案件と進捗を書いて貼り出すことにしました。みんなでそれを読むと次第に質問や意見をぶつけ合うようになり、その後は互いにサポートし合う場面が増えたのです。30年以上前の組革研体験が生きました。
 以前はコールセンターから飛び込む困難案件に戦々恐々としていたメンバーたちが、取り合うように自分で担当を決めるようになり、私の仕事が減ったうえ、案件解決のスピードが上がりました。
 明るくなった職場の雰囲気に、訪れる技術や管理の関係者が長居するようになり、自然と情報交換の場になりました。

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