考えて仕事をすすめる職場に

「いいな」と思われたら押してください。

　ゴミ処理施設のメンテナンス業務を受託で行っています。
　部下に業務を引き継ぐ際に、客先担当者との打合せや書類作成、現場での機器点検など、自分のやりかたを見せてそのとおりにやらせていました。時間がないときには、部下が内容を理解しているかを確かめず、形だけ教えたとおりにできていればそれで良しとしていました。
　組革研では、最初の「Ｓ－２０」で惨憺たる結果を出し、「次こそは」と必死に取り組んで業績をあげたことがもの凄い達成感に繋がりました。自分たちの問題として正面からぶつかり考え抜いたからでした。
　振り返って、職場で業務を引き継がせた部下たちにはただ形を真似させるだけで、自分で考えさせていなかったことに気づきました。
　職場に戻ると、業務内容について一から考え直す機会をつくろうと部下たちを集めました。施設の点検結果を書き込んだ表を貼り出させ、そこで使われている言葉がどういう意味なのかを一人ひとりに聞いてみました。
　すると、「みんな共通に理解しているはず」と思っていた言葉でも人によって少しずつ捉えかたが違うことがわかってきたのです。最初は「何が始まったのか」といった表情だった部下たちも、その結果に驚き、次第に自分の理解は他のメンバーと同じか、他のメンバーが間違っているのではないかと意見を口にするようになってきました。
　これまで、私が一方的に発言するだけだったミーティングで、いつの間にかメンバー全員が考え発言するようになり、その後は、点検業務の結果をどのようにまとめたら良いかという議論を自分たちで始めていました。
　ミーティングはその後も継続しており、最近では仕事の合間に部下たちが業務内容を確かめ合ってすすめる姿が見られるようになっています。