職場の常識とは異なるリーダーへ

「いいな」と思われたら押してください。

　社内の「技術アカデミー」という１年間の人材育成プログラムで安全部門のアドバイザーを担当し、カリキュラムを組んだり研究の方向性について相談を受けたりしています。
　組革研の最終日、「明日からこれに挑戦する」の課題で私は「何ごとも否定から入るのを止める」と宣言しました。技術アカデミーのメンバーも同じ会期に参加していたので、彼らに向けてのメッセージでもありました。
　鉄道事業ではちょっとした間違いや気の緩みが事故に繋がる可能性があり、どうしても上から命令するようになってしまいます。私もそうした職場の状況にすっかり慣れてしまっており、メンバーの発言を頭から否定したり命令口調になっていました。
　しかし組革研のリーダーは、まずはメンバー自身が考え行動する状況をつくり、各人の状態を見極めたうえで、指示や説明をなるべくせずに個々の力を引き出そうとしていました。そして、我われメンバーも「自分たちはやれるはずだ」と思えるようになりました。
　そのような体験から私は、メンバーに対して一歩身を引き、とりあえず彼らの話を聞かなくてはいけないと思うようになったのです。それは鉄道輸送における職場のこれまでの常識とまったく違うので大変な決心が必要でしたが、覚悟を決めました。
　そして、職場に戻ってからずっと「否定から入ることを止める」という宣言を守ろうと努力し続けてきました。その結果か、最近ではメンバーからの報告や相談が増えたと感じています。
　決して放任するのではなく、彼らが本来持っている個々の力を引き出せるよう自分自身を変えていきたいと思っています。