「依頼どおり」という言い訳だけはしたくなかった

「いいな」と思われたら押してください。

　タイヤ生産部門からのシステム修正や更新の依頼を取りまとめ、基本設計をして、プログラマーに発注しています。
　先日、タイヤ成形工程のシステム構築を担当することになり、依頼元であるタイヤ生産部門の担当者と打ち合わせをしたところ、話が全く噛み合わずに困りました。私はシステムのことはわかってもそれが現場や設備とどう関わるかという知識に乏しく、生産部門の担当者は人や設備の動きを知っていてもそれがシステムとどう繋がるのかわからないのです。
　依頼内容には矛盾や問題が多く、それをわかりやすく図にして伝え何度も再考をお願いしました。担当者は先を急ぐあまり、わからないことを他部門に聞きその回答を私に丸投げしてくるので、彼に内容を理解してもらったうえで話をすすめるといったことをくり返ました。
　スケジュールは遅れに遅れましたが、組革研での経験から、事実調査を怠り対象を捉えきらないまま対応に走ることだけはしないと決めていました。経験上、そのようにすれば失敗するであろうことは目に見えていました。
　最終的に３か月遅れでプログラム開発に着手することになりましたが、事前の確認に時間をかけた甲斐あって、その後は驚くほど速くすすみました。
　プログラマーに依頼する際には、なぜその処理が必要なのか、私が依頼部門に確認して理解したことを自分の言葉で伝えると、依頼部門の要望を汲み取った機能を考案して搭載してもらえました。
　その後、システム開発は無事納期どおりに完了したのですが、依頼部門にレビューしてもらうと、あれほど事前確認したはずなのに早速修正依頼が出されました。対象を捉えきることの難しさを改めて感じ、私自身もっと現場のことを知らなくてはいけないと考えています。