部下たちが指示待ちから自分事へ

「いいな」と思われたら押してください。

　在庫削減と利益率向上の課題について、部下たちに達成時期や目標金額だけを示し、販売先への対応を具体的に指示していました。彼らは指示どおり販売先を尋ね交渉するものの、断られるとすぐに結果を持ち帰り上司が解決せざるをえないということがよくあり、困っていました。
　しかし組革研に参加すると、仕事が本人の問題になれば自然と正面から取り組まざるをえなくなるということを体験し、これまで部下に対して事細かに指示していた結果、本人がその理由や背景を理解できず「最後は誰かがやってくれる」と考えるようになっていたのだとわかりました。
　職場に戻ると担当者全員を集め、課内在庫の１０％削減、利益率１％アップという課題に対して、担当する販売先の現状と問題点を紙に書き出させ、全員で読んで対応策を協議させました。
　販売先の業績悪化や、弊社に不利な特例が売買契約にあるといった問題が数多く挙げられ、特に若手に諦めムードが漂いました。しかし「課の全員で解決しよう」と伝え、先輩社員の主導で議論をすすめさせると、次第に若手からも発言が出るようになってきました。
　最終的に、問題の少ない販売先にターゲットを絞って課題をすすめるという提案を生かすことになり、全員で計画立案に取り組みました。
　議論をすすめるうちに部下たちの意見が飛び交うようになり、課題達成に正面から取り組んでいるのがわかりました。これまで職場では、販売先の問題は担当者と上司だけで解決するというすすめかたでしたが、それを課全体の取り組みにしたことが彼らを勇気づけたのかもしれません。
　その後も、各自の問題を共有するミーティングを続けており、そのたびに部下たちの指示待ちが自分事に変わっていく様子を頼もしく感じています。