「依頼に応えよう」とチームが結果を出した

「いいな」と思われたら押してください。

　経理関連の資料作成を依頼されると、「あのデータとこのデータを持ってきて加工すればそれらしくなるな」と仕上がりを勝手に決めて、自分がやりやすいようにすすめていました。しかし、組革研で「対象」を明らかにして対応するということを体験し、資料作りに際して依頼者がどう使うのか知ろうともせず手抜きをしていたのだと気づかされました。
　職場に戻ると、グループ会社の受注や売上げについて日々の状況を確認できるしくみの構築を依頼されました。これまでは月末の会計処理後にしか把握できず、経営判断の材料としては十分ではなかったのです。
　自分１人ではいいものはできないと考え、システム課の２人にも参加してもらい、私を含めて４人のチームで取り組むことにしました。依頼の背景や目的を説明して概要を示すと、「やる意味あるんですか？」「納期が短すぎます」などと声が上がりました。依頼者の立場で課題の重要性を改めて説明してもなかなか納得してもらえません。それでも何をすべきかはわかってくれたようで、各自で案を出し合って仕組みの骨格ができました。
　「これで行けるのでは」と依頼者に見せると、「見てすぐにわからない」「この表現では意味がない」などと多くの指摘を受けてしまいました。もっともな点も多いと感じてチームに持ち帰ると、メンバーはなかなか素直に受け入れてくれません。
　しかし私としては、議論の過程で「これくらいでいいか」と易きに流してしまう場面もあったと感じ、そのことを素直に謝り「依頼に応えられる結果を出そう」と話すと、メンバーたちはこれまで以上に真剣に取り組むようになりました。そして、完成したものを再度依頼者に見てもらうと「良いものができたね」とゴーサインをもらうことができたのです。