思いが伝わった

「いいな」と思われたら押してください。

　インドネシアの超有力工場と取引きが始まりました。私は生産管理を任され、工場とは電話やメールで確認をしていましたが、途中の明確な報告がなく品質などに問題が出てしまいました。
　そこで若手の部下を送り込みました。しかし、つべこべ言わずに任せておけといった有力工場が故の傲慢な態度に、進展が見られませんでした。部下をもどかしく感じ、確認事項を全て細かく指示していましたが、にっちもさっちもいかず、結局彼は帰国しました。
　その頃組革研に参加して、いくら自分の思いを熱く語っても相手には伝わらないんだ、自分で考えるようにさせなくてはと思いました。
　今度は自ら現地に乗り込みました。今後のことも考え、現地採用の社員を育成することにしました。通訳として採用した社員だったので仕事の内容はほとんど知りません。一から教える一方で、簡単な管理表などから考えさせました。すると思った以上にしっかりしたものを作ってきました。その様子を見ながら少しずつ生産管理も任せていきました。
　始めの頃は「明日仕上げる約束なのに、あと3 週間かかると言ってきました」と工場から言われたことをそのまま報告してきました。 「 納期は絶対だ。わかっているよね？」厳しく突っぱねると、なぜ納期を守ることができないのかと、現場へ戻って調べ始めました。そのうちに、「縫製ラインに問題があり、納期に間に合わないかもしれません。半分だったら仕上げられます」と報告するようになりました。
　今では客先からの難しい要求も、工場の状況を見ながら折衷案を提示してくるようになりました。現場での存在感が増して、工場からも我われからも認められるコントロールタワーとして頼もしく成長しています。