お客様の要望を明らかにする

「いいな」と思われたら押してください。

　現在、ある大規模火力発電所の制御システム更新のプロジェクトを担当しています。今回の依頼はハードウェアの更新が中心ですが、このような場合でも事後に「せっかくだからソフトウェアも改善させたい」という要望をいただくことがよくあります。今回もそのようなニーズがないか、契約前にお客様に確認してみると、「運用部署からの要望はない」とのことで、ソフトウェア更新を含まない内容での契約となりました。
　ところがその後、運用部署からソフトウェア更新の要望を４５件も求められ、時間的余裕もない中、私たちは困惑するばかりでした。
　そんなときに組革研に参加した私は、「お客様の本当のニーズを摑もうとしていなかったのではないか？」と自分の対応を後悔しました。以前、「こんな機能があれば」というお話があったことを今さら思い出したのです。
　職場に戻り、チーム全員に「お客様の要望がどうなっているかを明らかにしよう」と提案しました。
　メンバーたちはしぶしぶ取りかかりました。しかし、一つひとつの項目を見直していくと、既存の機能を流用できるものもあり、新規に開発すべきものは３０件まで絞られたのです。そしてこの過程で、メンバーたちの中に「どのようにすればお客様に貢献できるか」と考える姿勢が根付いてきたのではないかと思います。
　その後のお客様との打ち合わせでは、私が不在でも、メンバーが小さなニーズにもきちんと耳を傾けるようになり、お客様から「要望に応えてくれてありがとう」というお言葉をいただくことができました。
　変わりつつある部下たちの姿に、追い越されてはいけないと自分に鞭を打つ毎日です。