「部下が指示以上のことをしない」と不満に感じていた

「いいな」と思われたら押してください。

　弊社では物流サービスを提供しています。
　このところ業界のドライバー不足が深刻で、必要なだけのトラックをなかなか集められません。その結果、納品時間に遅れてしまったり、せっかくの配送依頼を「運びきれないので」と言ってお断りすることもありました。
　トラックを集めるのは営業部の担当で、部下たちは私の指示どおり前年を大きく上回る件数の運送会社を探し歩いてくれましたが、なかなか成果は上がりません。部下たちの間には「この状況下ではしかたない」といった気分が充満し、一方で私は、成果が出ないのに指示されたことしかしない彼らに不満を持つようになっていました。
　しかし組革研に参加すると、私が指示ばかりしているせいで部下たちが考えなくなっていることに気づかされました。職場に戻るとすぐ、なぜ車両が集まらないのか、どうすれば集まるのかを部下たちだけで考えるミーティングを設けました。
　最初は発言する者も少なく、私も口を挟みたくなりましたが我慢していると、次第に意見が交わされるようになってきて、「過去に取引があって、現在は中断してしまっている先をあたってみよう」などとこれまでになかったような案も出されました。
　そしてそのうち、運行計画担当者にも聞いてみようという声が上がりました。車両が不足しているルートや、ドライバーからの情報を持っているのは運行計画担当者です。みんな「その手があったか」と盛り上がり、さっそく合同ミーティングを開催することに決まったのです。
　指示待ちとばかり思っていた部下たちが熱心に意見を出し合い、自分たちで動き出してくれています。