「できない」という思いが無駄を生んでいた

「いいな」と思われたら押してください。

　発電用ガスタービンなどの製造コスト低減に取り組んでいます。目標はいつも厳しく、達成できそうもないと思い、「できるところまでやればいい」と考えていました。
　改善案を何とか考えて設計部に提出しても回答がなく、「相手が動かないのではしかたない」とそのまま保留にしてしまうことも多く、目標達成はおろか改善効果そのものが頭打ちになっていました。
　そんなときに組革研に参加しました。「Ｓ－２０」のわからないことを書き出す目標件数を決めるとき、私はチームで３千件が限界だと思いましたが、最終的に４千件になりました。このときも「できるところまででいい」とやっていたら、やはり制限時間内には達成できませんでした。
　しかし残業することになったとき、「チームで決めたのだからやらなければ」「他のメンバーに迷惑をかけられない」という思いが生まれ、どうすればできるかを考えるようになったのです。その後は貪欲に書き出して全員で目標を達成しました。
　「できない」と考えることがいかに自分の力を抑え込んでしまうかを痛感させられました。そして職場に戻ると、回答のない改善案について何とかしようと、設計部へ再度の検討を要請しました。
　打ち合わせの場を定期的に設けて意見をぶつけ合うと、実はこちらとは別の観点で代替案を検討していることがわかりました。製品の強度についての認識が私たち製造部と設計部とで異なっていたためで、「相手が動かない」と決めつけて諦めていた自分を恥じました。
　改善案は実現に向けてスタートしたばかりですが、問題から逃げずに「どうできるだろう」と考えることが大事なのだと改めて感じました。