「不可能」と考えない

「いいな」と思われたら押してください。

　ラインの生産効率を１０％向上させるという目標を達成するために改善をすすめてきました。
　その過程で、工具や部品を取りやすい位置に置いたり、ライン間の幅を狭めて作業者の移動時間を短縮するなど、部下たちから募ったアイディアを実施してきました。しかし、いずれも作業時間を１～３秒ずつ短縮する程度の効果しか得られず、目標にはほど遠いものでした。
　一生懸命やっても大きな成果が出ず、いつの間にか私も部下も「目標達成は不可能」と考えるようになっていました。
　組革研に参加すると、現場での調査をくり返しても「Ｓ－２０」の仕組みをなかなか解明できませんでしたが、最後にはゴールすることができ、諦めずに挑戦し続けることが大切なのだと強く感じました。
　簡単に「不可能」と諦めていた自分を恥じ、職場に戻ると効率アップの目標値を２０％に引き上げると宣言しました。部下たちからは「１０％ですらできなかったのに」との声が上がりましたが、これまでとやりかたを変えて他部署の人たちに問題点を指摘してもらうという案を伝えると、少し驚きながらも「やってみよう」ということになりました。
　他部署の人たちにラインを観察してもらうと、自分たちだけでは気づかなかった問題が次々と挙げられ、その中には大きな効率アップに繋がりそうなものもたくさんありました。部下たちは「これなら２０％も不可能じゃない」と次々と改善案を考えるようになり、同じやりかたを別ラインでも実施すると、生産効率が上がり出したのです。
　目標実現までにはまだ時間がかかりそうですが、部下たちは日々さらなる改善に力を入れています。