背景にある考えかたを理解する

「いいな」と思われたら押してください。

　今年４月に入社し、化学製品を製造する設備の改善などを担当しています。
　設備変更の際には、これまで採用されてきたという理由だけで従来の設計をそのまま流用していました。上司から「なぜその設備を選んだのか？」、「実際に設置可能か？」などと尋ねられると答に窮することがあり、私は「すべて上司が決めてくれればいいのに」と不満に思いました。
　組革研に参加すると、リーダーは何も教えてくれませんでした。最初はその意味がわかりませんでしたが、自分たちで調べ考えるうちに発見があり、人から聞いたことやその考えを鵜呑みにしていては成長できないということに気づかされたのです。
　組革研から戻り、これまでの設計がどうなっているかを明らかにしようと資料を調べ、先輩からも話を聞きました。すると、作業やメンテナンスのしやすさがよく考えられているだけでなく、化学薬品を扱う設備ならではの安全面への様々な配慮もなされていました。
　背景にある考えかたを理解しないまま従来の設計を流用し続けていたら、何か条件が変わった際に正しく判断できず、重大な事故に繋がっていたかもしれません。私は改めて責任の重大さを感じました。
　その後は、実際に設置可能かということはもちろん、さらに安全面やコスト面を考えるようにしました。また設計するにあたり、現場に行って作業のしやすさを調べました。すると、実際にはそこに他の設備があってバルブの位置を変えなくてはいけないといったことを事前に把握できました。
　設計したものを上司に提出する際には、「ここはこうして決めた」など自分の考えを伝えるようにしました。しかし、考えかたの間違いを指摘されることがまだまだ多く、早く一人前になりたいとがんばっています。