メンバーの力を信じ、１億円の費用削減に挑む

「いいな」と思われたら押してください。

　私どもの工場では、敷地内の在庫保管場所が足りなくなると近隣の倉庫を借りることがあり、そのために、ここ２年間は１億円以上の費用が発生していました。そこで、物流部門などの関係部署が集まってこの問題の解決に取り組むことになり、私がそのまとめ役になりました。
　しかし、集まった７人のメンバーと話し合っても、「そもそも保管スペースが少ないからしょうがないよ」「工場に倉庫を作るべきだ」などといった意見が出るばかりでした。
　そんな折に組革研へ参加した私は、すぐにメンバ－を集め、「何を解決できたら、倉庫を借りなくて済むか」をテーマに、問題だと思う状況を各自５０件書き出すようにと、少し強引にすすめました。正直私は、５０件は難しいだろうと思っていたのですが、全員が期限内にそれ以上の件数を書いてきたのです。　
　集まった４００件以上を壁一面に貼って議論を重ね、１０数件に絞ってそれぞれについての対策を考えました。こうした過程を踏むうちに、一人ひとりが真剣にこの問題と向き合うようになり、「自分はこれをやってみよう」とみんなが自分の役割を決めて動き出しました。
　メンバー全員の努力の結果、消費税増税前の３月末に駆け込み需要の影響で保管在庫が急増したとき、近隣の倉庫を全く使わずに済ませることができました。この体験がメンバーに自信とやる気を与えたのか、それ以来、倉庫を借りずに済んでいます。
　夏に向けて、ビールの最盛期が迫りこれからが本当の勝負となります。メンバーがより高いテーマを掲げるために、私はどうすべきかを模索しているところです。