新入社員研修を自分たちで運営させた

「いいな」と思われたら押してください。

　クボタグループの従業員を対象に技術技能研修などの企画運営を行っています。これまで新入社員研修では、我われ教育センターのスタッフが運営をすすめ、新入社員に対して「積極的に受講しなさい」「大きな声で挨拶しなさい」と指導していました。
　ところがその結果として、指導者の前でしか求められた行動をしないといった問題が生じ、配属先から「素直で元気だが、行動が伴わない」「中途採用者なら即戦力になるのに」などと意見をいただくこともありました。
　その後、組革研を体験した私は、これまで組織の体質であった前例踏襲を止め、新入社員研修を大きく変えることにしました。研修の運営を新入社員自身に任せることにしたのです。
　新入社員が日替わりで運営を担当することとし、どうするのが受講者にとって良いのかを考えさせて、レイアウト変更、資料配布、講師紹介等を任せました。研修を通常の業務と見立て、事務局への報連相の徹底を求めましたが、一方で事務局からの過度なアドバイスや指導は控えました。
　最初は、講師への確認を怠り配布物を忘れてしまうといった失敗もありました。しかし、終礼で反省会を行うと、「失敗し迷惑をかけた」「もっとうまくやりたい」などと素直に話してくれて、翌日の担当者に反省点を引き継ぐことで、次第に運営が円滑に行われるようになってきました。
　運営経験者が増えると受講者側からの協力も生まれ、休憩時には時間ギリギリまでおしゃべりをして次の講義の開始を遅らせるほどだったのが、次第に横どうしで注意し合って５分前行動を意識するようになりました。
　今後、配属後の彼らの状態を見ながら、研修をさらに変えていかなければいけないと考えています。