手間を惜しまず全数を調査する

「いいな」と思われたら押してください。

　自動車メーカーに部品を納めています。
　工程内で不良が起きると、「この現象はおそらくこの部分でしか発生しない」などと理由をつけて、「この工程だけを調べよう」「これぐらの数をやっておけばいい」と調査を省略していました。
　お客様からのクレームに対しても、出荷前に全数目視確認していれば「多発はない」とお客様の在庫までは確認しようとしていませんでした。
　結果として不良の原因を解明できず、お客様から再調査を求められたり、「あたり前のことができていない」とお叱りをいただくことがありました。
　私は組革研でも、道幅を測るときにメジャーがゆるゆるになっていても気にせず「こんなもんだろう」で済ませていました。しかし、その後キャンパスリーダーの話を聞いて、自分は手抜きのせいで「Ｓ－２０」でも職場でもいい結果を出せていなかったのだと気づいたのです。
　職場に戻ってからは、不良発生時に「絶対に影響がない」と断定できる項目以外は総て調査するようにしました。お客様への対応でも、これまでのような妥協はせずに、納品分を含めて必ず全数を調べ直すようにしました。
　するとお客様から再調査を求められることが減り、同じ内容のクレームが発生することもなくなりました。
　手抜きをせず調査することは一時的に手間のかかることですが、不良再発の激減に繋がり、結果として解決までの時間を短縮することになるのだと痛感しました。
　最近では、お客様からも「不良調査の質が急に上がったみたいだけど、どうしたの？」などと言っていただけるようになり、手抜きを止めることでやっと貢献できるようになったのかと実感しています。