まだ自分の目で確認していない

「いいな」と思われたら押してください。

　タイヤ設計部門からのシステム修正や更新の依頼を取りまとめ、基本設計をして、プログラマーに発注しています。
　先日、タイヤ設計者から問い合わせがありました。ある部材の断面積や長さから重量を算出する計算システムの結果が、手計算した値と異なっているので、システム上の計算過程を知りたいというのです。
　システム設計書を調べると計算過程はすぐにわかり、試しにそのとおり手計算してみました。ところが、その値はシステムの計算結果と一致しません。過去のシステム修正時に設計書を修正し忘れたのかもしれません。
　プログラマーに調査依頼をすると、計算式で使っている係数を引用する場所がシステム設計書と異なっていたという回答が返ってきました。
　それを調査結果として報告しようと一度は思いました。しかし、組革研に参加して以来、私は人に言われたことを鵜呑みにするのを止め、システム修正の依頼内容なども自分で徹底して調べるようにしてきました。
　まだ自分で確認していない、と思い直し、プログラマーが「システムが引用している」という係数に違う値を入れてやってみると、計算結果に違いが出ず、何とその係数は使われていないことがわかったのです。もう一度プログラマーに確認させるとそのとおりで、プログラムを読み違えていたということでした。
　その後、問い合わせてきたタイヤ設計者には明らかになった計算過程を伝え、ほんの些細な調査ではありましたが、やりきったと感じました。
　途中、「そこまでする必要があるか？」と一度は手を抜こうとしましたが、どんなに些細なことでもやはり自分で確かめなくてはいけないのだと再認識させられました。