通常業務を止めてミーティングを行った

「いいな」と思われたら押してください。

　自動車の空力特性の実験研究を行っています。
　自動車の開発期間はとても短く、複数のプロジェクトを並行してすすめなければなりません。昨夏に私が異動してきた頃、部下たちは目の前の仕事をこなすのに手一杯で、管理部門からいつも納期遅れを指摘されていました。
　この行き詰まりを何とかしなければと考えているときに、組革研で聞いた「仕事とは対象に貢献すること」という話が腑に落ちました。そして、貢献すべき「対象」を明らかにして仕事に取り組むことで、部下たちの状態を変えられるのではないかと考えました。
　職場に戻って、まずは部下たちに自分の対象は何かを書いて貼り出させました。私の意図が伝わるか不安でしたが、「お客様」や後工程である「設計部門」が挙げられホッとしました。そして、何を求められているのか、対象に貢献するためにどうすべきかをチームごとに議論し、行動方針としてまとめることにしました。
　以前と違って今回のミーティングは敢えて通常業務を止めて行い、それだけ重要な討議であることを意識させました。そして、私自身は口を挟まないようにしていると、次第に一人ひとりが活発に意見を出し始めたのです。
　１週間後、各チームが決めた行動方針を貼り出すと、それは与えられた目標や納期を上回っていて、各メンバーがやるべきことも見えるようになっていました。他チームが貼り出したものを見て、「自分たちももっとやらなくては」と再び話し合うチームもありました。
　この取り組みを始めて３か月。最近では納期遅れもめっきり減り、部下たちは貼り出した目標と納期を更新し続けています。各自が自分の問題として取り組むことが重要なのだと、改めて教えてもらいました。