悩みを共有したら部下の動きが変わった

「いいな」と思われたら押してください。

　長く取り組んできたプロジェクトがようやく山を越えました。プロジェクトの過程で、私が部下の状況を見ていなかったり、進捗が悪いのを部下のせいにしていた様子を、１年ほど前のデイリーメールで報告しました。
　部下の一人がそれを読んで話しかけてきました。私も本当に困っていたので、「プロジェクトをどのようにすすめるべきだろうか」となかば相談するように話し込むと、彼は「そんな問題もあったんですね」と驚いたり納得したりしていました。そしてその後、彼の動きが変わってきたのです。
　以前の彼は自分の部下に任せてうまくいかないと、「もういいや」という感じですべて一人でやってしまうタイプでした。しかし、とにかく部下の話をよく聞くようになりました。私に対しても「～していいですか」と言っていたのが「～をやりますのでフォロー願います」に変わりました。
　その後、彼はメンバーをグイグイ引っ張り、プロジェクトが大きく前進することになったのです。
　ある日、製品の性能評価試験を行うことになりました。弊社敷地を数日間交通規制しなければならないほど大掛かりなものです。
　準備がかなりすすんだところで、製品設計者が準備中の試験装置では十分な精度でデーターが取れないことに気づきました。そのことをなかなか言い出せずにいる様子を彼が見て、「必要なことは総てやろう」とメンバーに呼びかけると、次の会合までにはメンバーが改良案をつくりすでに実行に移されていたのです。
　彼は、その後もみんなの提案を生かしつつ、他部署との調整をすすめ、交通規制をする必要のない休日に日程を集めて計画を立てるなど、それまでは想像できなかった仕事ぶりを見せたのです。