仕様書だけではわからない要望に迫る

「いいな」と思われたら押してください。

　私はお客様から渡された仕様書に基づいてシステム開発をしています。
　設計の前段階としてプログラムの機能などをまとめた資料を作成し社内でレビューしてもらうと、「読み手を意識して書かれていない」という指摘をよく受けていました。
　自分では資料をわかりやすくまとめているつもりだったので、何が問題なのかわかりませんでした。しかし、組革研で対象を徹底して明らかにするということを体験すると、自分がまだまだ読み手に迫れていなかったのだとわかりました。
　ソフトウェアの開発過程でもお客様の要望を明らかにできていなかったのではないかと考え、お客様との打ち合わせを増やすようにしました。以前は２～３週ごとに行うだけでしたが、週に１回は必ず打ち合わせるようにし、何に困っているか、どのようなことをやりたいのかをうかがって要望を明らかにしようと心がけました。
　すると、それまで私が仕様書どおりにつくれば良いと考えてすすめたことで、お客様の不便になることが生じていたとわかってきたのです。
　例えば、お客様が緯度・経度を入力してソフトウェアを試験する画面について、仕様書では１６進数の数値に置き換えて入力する形でつくるようになっていました。私もそのとおりにしていましたが、試験担当者が不慣れだと入力する数値を間違いがちであるというお話を聞きました。
　私は、仕様書ばかりを見てお客様の利便に目を向けていなかったのだと気づき、緯度・経度を直接入力できるような画面に変更することを提案しました。お客様からは「とても使いやすくなった」と喜んでいただけ、その後もお客様の目線に立てるよう打ち合わせを大事にしています。