お客様から教えていただく

「いいな」と思われたら押してください。

　私の部署では、新しい技術開発をすすめながら、その展開先を探しています。技術ショーでのご案内や、その技術に関係がありそうな会社への訪問をしてきました。
　部下たちは設計開発に携わってきた者ばかりで、営業には不慣れです。お客様に技術の説明をしても、なかなか興味を持ってもらえません。私は組革研での体験を生かそうと、対象である業界のことをしっかり調べて確かな売り込み先を見つけるように伝えましたが、なかなか成果が挙がらず、私自身どうしたらよいかわからなくなっていました。
　そんなとき、若手のエンジニアが興味を持ってくれたお客様を弊社に連れてきました。実際に装置や開発内容を見ていただいたところ、お客様からの質問や提案も多く出され、非常に感触が良かったのです。
　私はそれまで、弊社の技術を必要とするお客様を見つけようとばかり考えていました。しかし、そもそも開発中の技術なのだから、それをどう生かせるかはお客様に教えていただくしかないのだと気づき、仕事のすすめかたをもう一度見直すことにしました。
　これまでのような一方的な説明を止め、お客様のニーズを探るためにその反応や発言を漏らさず聞くようにしました。そして、我われの技術を何とか生かせないかと相談すると、しだいに興味を持ってもらえる機会が増えてきたのです。思いもつかなかった用途を提案していただいたり、他のお客様を紹介してもらえるようにもなりました。
　最近では「他社の技術と組み合わせてさらに新しい技術にできないか」という提案をいただいて共同開発の話もすすんでおり、「対象を明らかにする」ということの意味が少し実感できたような気がしています。