実際に使われている機器を見に行かせた

「いいな」と思われたら押してください。

　ソフトウェアの設計から動作検証までを行っています。昨年から複数のプロジェクトチームを持つリーダーになりました。
　部下たちには、電子機器を製造するお客様から渡された仕様書のとおりに設計させてきました。しかし、その電子機器を使うときに当然必要となる機能を落としてしまうということが何度かあり、担当した部下に理由を尋ねても「仕様書のとおりです」と答えるばかりでした。
　以前から、部下たちに作業のしかたを教えてもなかなかできるようにならないことを問題に感じていましたが、今回はどうしたらよいかわからなくなってしまいました。
　組革研を体験すると、部下たちに細かく指示を出し続けたことがこういう状況を招いたのだと気づきました。彼らは、つくっているソフトウェアがどのような機器のどの部分に使われるのか全くわからない状態でただ作業をしていたのです。
　その後、部下たちには、ソフトウェアが使われる機器を実際に見に行かせたり、お客様がどのように使っているかを調べさせて、仕様書の背景や目的を理解したうえで設計させるようにしました。
　すると、これまではお客様との打ち合わせで話を聞いているだけだった部下たちが、「こんな機能も必要なのではありませんか？」と質問し、「こうしたほうが使いやすいのでは」と保守性や拡張性を考えて提案するようになってきたのです。
　最近では、お客様から相談されるようにもなり、部下たちは自信を持って仕事に取り組むようになってきました。私が一方的に話すだけだったミーティングでも、改善提案が積極的に出されるようになっています。