リーダー体験で目から鱗が落ちた

「いいな」と思われたら押してください。

　一昨年から、集積回路の受託設計を行うグループのリーダーとなりました。　
　ここ数年、グループでは赤字が続いています。部署全体に利益や納期への意識が薄く、顧客の要求事項を十分明らかにしないまま設計してやり直しになるといった無駄がたえず発生していました。
　私は口を酸っぱくして「コストを意識しろ、工数を管理しろ」と言い続けましたが、効果はほとんどありませんでした。
　組革研にリーダー参加したとき、「あれはやったか？　これはどうなっている？」と口出しばかりして、「あなたは先生か？」とブロックリーダーに一喝されました。それからは、あれこれ指示したくなるのを我慢して黙っていると、メンバーが「こうしようと思うんですが？」と自から動き出したのです。「こういうことだったのか！」と目から鱗が落ちた気がしました。
　職場に戻って、なぜ赤字が続いているかをみんなで考えることにしました。すると「作業に追われて日程や原価の管理を怠っている」「見積り時に仕様の理解が不足している」などと自分たちの問題として捉えていたのです。そこで私は、解決策を自分たちで考えてほしいと伝えました。
　最初はなかなか議論がすすみませんでしたが、ミーティングをくり返すうちに、日程管理については「１５分単位での作業計画を作る」、仕様を読み込むときには「わからないことの書き出しから始める」などと具体的な提案が出てくるようになってきました。
　仕事のやりかたも変えようと動き出しました。「新しい検証ツールは効果があるから取り入れよう」、「便利なツールをつくりました」という声が出るようになり、この動きが設計プロセスの見直しに繋がり、その結果、今年度黒字化の目途も立ってきたのです。