部下と向き合っていなかった

「いいな」と思われたら押してください。

　組革研から戻ると、リーダークラスの部下が１週間休むことになりました。しかし、休みの前日になっても業務の引き継ぎをする様子がなく、しびれを切らせて引き継ぎミーティングを行わせました。
　翌週、彼が担当した仕事に対し関係部門からクレームの電話があり、他の者が慌てて対応していました。休みに入る前に最初のクレームがあり、その後の対応が必要であることを彼自身もわかっているはずなのに、引き継ぎミーティングでは報告していませんでした。
　休みを終えて出社した彼を呼び出し、クレームについて今後の対応を総て自分で行うよう指示しました。そして、これまでの仕事のすすめかたや関連部門への姿勢を変えない限り仕事は任せないと伝えました。
　私からそんな風に言われたことがなかったせいか、彼は驚き、顔を紅潮させて怒りを抑えている様子でした。
　私はそれまで、部下が嫌がりそうなことを面と向かって伝えることはなく、オブラートにくるんだような言いかたしかできませんでした。しかし、組革研でメンバーに真正面から向き合おうとするリーダーの姿を目の当たりにして、私が逃げ続けてきたことを思い知らされたのです。
　翌日、眼の色を変えて業務に取り組む彼の姿がありました。以前は、周りがどんなに忙しそうでも始業時間ぎりぎりに出社して、誰よりも早く帰宅していました。そんな彼が、始業前に進捗状況報告のミーティングを設定したり、過去にほとんどやったことのない休日出勤でクレーム対応をすすめたりしていました。
　これには驚かされました。そして、これまで部下と真正面から向き合ってこなかったことがただ悔やまれ、申し訳なく思うばかりです。