急ぎの仕事でも背景や目的を明らかにする

「いいな」と思われたら押してください。

　海外発電所内の建築物の設計を担当しています。
　顧客から、膨大な枚数の図面を急ぎで提出するように求められたときのことです。突然のことに上司も私も慌てて、どうやって納期に間に合わせるかばかり考えていました。上司に指示された時間短縮方法ですすめて何とか提出したものの、顧客の要望を満たすことはできず、提出し直すことになってしまいました。
　こうなったのはなぜか。対象を明らかにする前に対応することばかりに気を取られていたからだと、組革研で気づかされました。
　職場で対象を意識しようと考え、毎朝出勤してすぐに、顧客や上司から求められていることの背景や目的を考えて書き出すようにしました。私自身の都合や判断ができるだけ入らないように努めました。
　１０分で済むことですが、やってみると仕事のやり直しが少なくなり、効率が上がっているように感じました。
　先日、図面を急ぎで求められることが再度ありました。
　上司からは前回と同様にすぐ指示が飛んできました。私は焦る気落ちを抑えて、顧客が図面を必要とする背景や目的を考え、書き出しました。それを上司に見てもらい、２人で顧客が求めていることを明らかにして対応すると、図面の追加や出し直しをせずに済んだのです。
　これまで自分の専門性を高めることばかり考えてきましたが、最近は、技術は一つの手段にすぎず、まずは求められていることを明らかにする努力が重要なのだと思えるようになってきました。
　私の提案に耳を傾けてもらえる環境があることに感謝して、地道に努力を続けていきます。