部下の邪魔をしていたのは自分だった

「いいな」と思われたら押してください。

　親会社の工場内で、原料や製品の物流を担当しています。
　現場のリーダーたちに報告書を提出させると、中途半端な状態のものが目立ちました。彼らは、足りない部分は私が補ってくれると思っているようでした。顧客対応も私に任せようとするばかりで「自分がやる」という気構えが見られません。現場の人たちは、困りごとがあるとリーダーではなく直接私に「何とかしてほしい」と言ってくるのが常でした。
　私はセンター長として、現場のリーダーを次代のマネージャーに育成する立場にあります。私が最初に見本を示し、後は自分たちで考えすすめてほしいと伝えてきましたが、彼らは思ったようには動きません。いつの間にか、ことあるごとに「あれはどうなった？」と首を突っ込んでは「じゃあこうしよう」と口を出すようになっていました。
　顧客に迷惑をかけないために「よかれ」と思ってやっているつもりでしたが、そのことで彼らを邪魔していたのだと、組革研で気づかされました。
　何とか状況を変えようと、現場が困りごとを直接私に言ってきても「リーダーと一緒に考えてほしい」と突っぱねるようにしました。リーダーを問題に直面させようと考えたのです。
　すると少しずつですが、現場の人たちが最初からリーダーに相談するようになってきました。しだいに「現場がこう言っていますが」とリーダーから伝えられるようになり、「このようにしておきました」と自ら対処して事後に報告する者も現れてきました。
　トラブル発生時の顧客への報告など緊急を要する重大案件は、まだ私がやっています。しかし、これも一部のリーダーには任せてみようと、すでにすすめているところです。