「部下ができないというのはあなたの思い込みだ」

「いいな」と思われたら押してください。

　担当してきた工程管理を新入社員の部下に引き継ぐことになりました。早くすすめようと思いながらも、実際には「このことはまだわからないだろう」「この交渉は自分が対応したほうが良い」などと、難しいと思われることは相変わらず私がやっていました。
　組革研に参加し、部下にも同じ体験をさせてあげられたらと思いながらも「まだ彼には難しいだろうなぁ」などと考えていました。すると「部下ができないというのはあなたの思い込みだ」とキャンパスリーダーから見透かされるように指摘されハッとしました。「Ｓ－２０」で若いチームメンバーが、私に見つけられなかったことをいくつも発見していたことが思い出され、確かにそのとおりだと納得しました。
　今度こそ部下に全部引き継がせなければと思いました。仕事が滞るのではないか、関係部署に迷惑をかけるのではないかと不安でしたが、難しい仕事でもまずは自分で考え、わからないことは調べてすすめるよう部下に伝えました。
　最初のうちはどうしてよいかわからずに悩んでいるようでした。しかし、以前ならば何に困っているかを聞いて私が処理したであろう場面でも、ぐっと堪えて様子を見ていました。
　数日後、部下から進捗状況を聞くと、ある工程で製品の流れが滞っている箇所を見つけており、その改善方法まで提案してきました。関係部署との調整が必要となるため、「できるか？」と質問すると、驚いたことに既に調整もすすめていたのです。
　相変わらずの思い込みでまた部下から仕事を奪うところだったと、改めて反省させられました。