「指示に従えばやりこなせる」と考えていた

「いいな」と思われたら押してください。

　債権回収という仕事柄、お客様からのいわれのないクレームなど対応の難しい事案も多く、部下がその都度相談してきます。私は、対応方法を事細かに指示する一方で、部下のスキル低下を嘆いていました。
　そんなとき組革研に参加すると、リーダーの説明や指示がほとんどなく、教えてもらえないことを腹立たしく思いました。職場と同様に「指示に従えばやりこなせる」と考えていたのです。
　結局「Ｓ－２０」では道に迷い散々な結果となり、指示や説明を求めて自分で理解しようとしなかったことを悔やみました。そして、自分の力で考えて動くしかないのだと確信したのです。
　職場に戻ると、業務システムの現場での動作確認試験があり、その管理者の割当表を部下に任せました。すると部下は、不具合対応のための予備日や試験中の通常業務遂行体制など全く考慮せず、機械的に作成してきました。私が指示と説明ばかりしてきた結果だと強く感じました。
　そこで「これがベスト？」「不具合発生時の対応は？」などと質問だけして、やり直すように言いました。「指示してくれればいいのに」と不満そうでしたが、結果として部下は、期間を当初の１／３まで短縮した割当表を作成してきました。
　試験が始まると想定外の不具合が発生し対処に数日を要しましたが、予備日を設けたおかげで予定期間内に終了する見込みとなりました。部下たちから「問題なく終了できそうです」と自信に満ちた報告を聞いたとき、何かを感じてくれたのかなと思いました。
　その部下たちの動きが周りに影響しているのか、部内の雰囲気も徐々に変わってきたように感じています。