「言われたことしかしない」と宣言する部下の育成に悩む

「いいな」と思われたら押してください。

　工場総務課の責任者となって１年半、ある部下の育成のことで悩んできました。やる気が見えず、すぐに「できません」「他の人に頼んでください」と言うのです。工場を良くしようという思いを感じることができず、不信感が膨らんできました。
　一方で、タイからの研修生受入れを任せると、研修生と向き合い、宿舎の管理業者との交渉など問題なく２ヶ月間をやり抜きました。
　それでも「言われたことはやりますが、言われていないことまで自分で考えてやろうとは思いません」という態度に、どう接していけばよいのかと悩んでいました。
　そんなとき組革研に参加し、何かヒントを摑めるのではと、すがる思いで「部下を変えるにはどうすればよいか？」とキャンパスリーダーに質問しました。すると「自分が変わらず人を変えるなど思い上がったことを考えるな！」と一喝されました。「対象を変えることはできない」という当たりまえのことを突きつけられたのです。
　人事担当として研修を実施し、日頃から「部下を変えるにはまず自分から」と言ってきたのに、知らず知らずのうちに自分が思い上がっていたことに気づかされました。
　職場に戻り、部下にどうしたいのかを聞くようにしました。時にイライラして「オレの方針だからやれ！」とやってしまう場面もありますが、まずは自分が変わらなくてはと２か月間続けてきました。
　私が「自らこうしたいと思ってやらないと面白くない」と気づくのに入社後５年かかりました。自分が入社した頃を思い出して、焦らず、諦めず続けていこうと思っています。