「指示がないと困る」と反発された

「いいな」と思われたら押してください。

　部下には「勝手な仕事はするな。班の担当範囲を超えて作業するな」と言ってきました。
　現場設備を当直管理する班のリーダーとして、担当業務さえうまくできればいいと考えていたのです。一方で作業のすすめかたには事細かく指示を出し、設備操作のコツまで話していました。自分の指示どおりに動いてくれる部下を作っていたのだと思います。
　組革研で「上司が指示待ちを作っている」という話を聞き、まさに自分のことだと思いました。部下たちに自分で考え行動させなければと、作業の具体的な指示は止めることにしました。
　部下たちは度たび指示を仰ぎに来ましたが「その作業には何が必要なのかな？」と言うだけに留めました。当初は「指示が無いと困る」と反発され、口を出したくなったり実際に手を出してしまうこともありましたが、できる限り任せました。
　他グループからの作業依頼にも直接対応するようにさせました。相手の要求を理解して対応方法を考えるところまで任せたのです。
　その後、急に私が同じ現場の昼勤務となり、部下の変化もわからないうちに班を離れることになりました。新しい仕事に今度は私自身が戸惑い、「きっと上司から指示があるはず。教えられたことをこなせばいい」といつの間にか指示待ちになっている自分に気づきました。これではまずいと動き出し、とにかく現場を見ることに徹しました。
　部下たちも私の様子を見ていたと思います。ありがたいことに、彼らも自分の力で何とかしたいと動いているようです。現場で会ったときに質問すると「こうしています」と自信を持って答えてくれました。