現場で気づく

「いいな」と思われたら押してください。

　組革研の「Ｓ－２０」で調査しきれず、中途半端にしかわからなかったため、スタートしてすぐにミスコースしてしまいました。
　迷いに迷って精神的にギリギリの状態に追い込まれましたが、「対象」を捉えることの大切さを実感することができました。
　私は職場でコンベアベルトの開発、設計に携わっています。
　顧客のニーズに合わせながら収益を上げられる製品開発が課題ですが、そういった製品は量産化しにくいものになりがちです。
　製造現場からは、作りにくい、工程が多すぎる、挙げ句の果てに「こんなもの持ってくるな」などと文句を言われ、そのつど製品性能と工程能力の板挟み的な調整に追われていました。
　開発担当の部下と新商品の試作に立ち会ったのですが、製造部門のリーダーとオペレーターとの話が異なり、部下はどちらの話が正しいのかわからず行き詰ってしまいました。
　私は部下に、現場に足を運び徹底的に観察するようにさせました。
　すると現場でオペレーターに聞くことで、今まで上がってこなかった問題点がわかり、解決の糸口を見つけることができました。
　作業現場ではより良い製品を作るため、我われが思っていた以上にきめ細かな作業を行っていたのです。
　顧客ニーズだけでなく、工程能力にも合わせて量産化可能な仕様にすることが必要だと認識しました。
　その部下は製造現場の知識も増え、オペレーターとの信頼関係も向上し、より良い環境で新製品開発に取り組んでいます。その結果この製品は、社内で環境貢献商品の最優秀賞に選ばれました。