「わからないこと」リストアップの御利益(ごりやく)

「いいな」と思われたら押してください。

　上司から勉強のためにと、新しいコンセプトカーの部品を開発する他部門とのタスクメンバーに指名されました。私の専門領域外の開発です。何をどうやればいいのか、さっぱりわからないながらも1年間の開発計画を立てなければなりません。ぼんやりとしたアウトプットイメージの中でなんとか作った計画で進めていったのですが、何一つ満足にできないのです。
　「組革研」ではまず、「対象」についての「わからないこと」をリストアップ、それを一つひとつ調べて明らかにしていきました。このプロセスを通じて、わかったつもりになっている自分に気付いたのです。この方法だ！と思い、「わからないこと」をリストアップし、それについて技術に詳しい人に聞きまわることにしました。
　「わからないこと」を教えてくれる方はその分野の専門語で説明します。私はその説明を聞いて、懲りもせずわかったつもりになってしまう。そのわかったつもりのまま、タスク・ミーティングで発言するわけです。
　ミーティングで決まった内容で予備実験をします。その実験はサプライヤーに任せるのですが、サプライヤーに実験の条件を伝えるのは他のタスクメンバーでした。それがサプライヤーに全く違う内容で伝わっていたのです。私の専門用語の解釈が的外れだったからです。
　それからは人に聞くとき、わかったつもりになってしまう自分を意識し、その場で質問して持ち帰り、再度「わからないこと」をリストアップすることにしました。すると、「わかっていないこと」がたくさんあることに気付くことになったのです。それによって、人に聞くだけでなく、自ずと自分で勉強し続けることになってきました。
　今では自分でアウトプットのイメージがはっきりするようになりました。