やっと私の出る幕はなくなりました。

「いいな」と思われたら押してください。

　「組革研」参加後、部下に指示通りにやらせていた図面作成を、案件丸ごと任せてみました。口出しは極力我慢です。時間はかかりましたが、部下はきちんと最後までやり切りました。
　仕事上綿密な関係にある営業部の営業職１０年の担当者から私に、お客様への同行依頼が度々ありました。同行してみると、彼はお客様の質問に答えられず、説明のほとんどを私がして、商品の提案をする始末です。
　その後は同行を頼まれても、依頼を受けた資料を読んで行けば自分で説明できるだろうと断りますが、泣きすがるような懇願に負けて同行せざるを得ませんでした。私の仕事でもあると思い込んでいたからです。しかし、案件を任せたかつての部下のその姿を思い浮かべ、彼らにも自分で考えるように強く迫りました。
　ある商談の打ち合わせでのことです。同行の若手担当者に「お客様にはあなたが説明しなさい。私は何も言わないから」と言うと、彼は困惑した様子で、冷たいじゃないですかと言うのです。それでも私は突き放しました。どこまで我慢できるか不安でしたが、若手のことを考え、覚悟を決めて臨むと自分に言い聞かせていたのです。しどろもどろの説明ではありましたが、お客様の質問にも対応することができ、私の出る幕はありませんでした。
　それからは、彼らが主体で進め、私は単なるサポート役です。最近ではお客様の質問を想定して、事前の資料の読み込みも深くなっているようです。商品の選定での相談にはいくつかの種類は挙げますが、後は若手が考えて決めています。
　忙しい時に相談に来られると、よく状況を聞きもせず過去の経験から反射的に答えのようなことを言ってしまい、後悔することがしばしばです。